Q 個人再生と、自己破産・任意整理の違いを教えてください。
自己破産との違い
①返済額、②財産が処分されるか、③職業制限の点で主な違いがあります。
① 返済額
自己破産の場合、手続が無事に終了すれば、原則として借金の全額について、お客様から債権者へ返済する必要がなくなります(例外もあります)。つまり、破産の場合、手続き後の借金の額は基本的に0円になります。一方、個人再生の場合、借金の額を減額することはできますが、0円にすることはできません。一定額の借金を分割で支払っていくことになり、これが個人再生の特徴ともいえます。
② 財産が処分されるか
自己破産の場合、一部の財産を除き、管財人に選任された弁護士がお客様の財産を処分し、債権者に対して配当をします。これに対し、個人再生は、原則としてお客様の財産を処分して債権者に配当することはありません。個人再生の場合、手元に財産を残したまま借金の整理をすることができます。
③ 職業制限
自己破産の場合、手続中には、一定の職業につくことはできません(例:保険外交員、警備員など)。個人再生の場合、こういった職業制限はありません。
任意整理との違い
①返済額、②債権者を選べるか、③裁判所が関与するか、④官報への掲載の有無の点で異なります。
① 返済額
個人再生は、お客様の借金額を一定の割合に減額したうえで、返済を行うのが原則であるのに対し、任意整理は、過払い金が認められる場合などを除き、お客様の借金額が大きく減額になることはありません。
② 債権者を選べるか
任意整理では、借金を整理する債権者を選べるのに対し、個人再生では(住宅ローンを除き)すべての債権者を対象とする必要があります。そのため、任意整理では自動車ローン債権者や少額の債権者を対象外とすることができますが、個人再生では対象外とすることはできません。
③ 裁判所関与の有無
個人再生は、民事再生法による手続であり、裁判所に申立てをして、裁判所の関与の下、手続を進めます。一方、任意整理は、個別に債権者と交渉をして行うものであり、法律に規定される手続ではなく、裁判所の関与もありません。
④ 官報への掲載の有無
個人再生は、手続を行うと、官報へ掲載されることになります。任意整理では、このようなことはありません。