Q会社が破産する場合、従業員に対する未払いの給与はどうなりますか。
会社が破産する場合、破産手続開始申立て前に、従業員を解雇するのが通常です。事業の継続ができないからです。
会社が破産する場合に、従業員に対する未払いの給与があるときは、会社の他の債権と同様に、負債として扱われますので、破産手続の中での配当により回収するのが原則です。
具体的には、破産手続開始前3か月以内に支給されるべき給料・給与は財団債権、それより前に支給されるべき給料・給与は優先的破産債権となり、いずれも他の一般債権よりも優先的に弁済・配当を受けることができるようになっています。
しかしながら、破産手続の中で支払いを受けることができるのは、それができるだけの破産財団が形成された場合のみです。
つまりその原資となるキャッシュが収集できた場合だけということです。
他方で、従業員の給与は、従業員の生活の糧になるものですから、支払いがない場合には、従業員の生活が脅かされることになります。
そこで、破産手続の中で未払い給与の支払いが難しい場合のために、労働者健康安全機構の未払い賃金立替払制度があります。
この制度は、退職日の6か月前の日から立替払いの請求の日の前日までの間に支払期日が到来し、当該支払期日後まだ支払われていない未払いの賃金等を立替払いするものです。
この制度の利用により、破産財団の形成が見込まれない会社の破産でも、立替払いの対象となる未払い賃金に限り、従業員がその支払いを受けることが可能になります。
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