【弁護士コラム】債権者集会とはなにか?破産した会社の代表者が債権者集会で注意すべき事項とは?

 

法人破産を検討する経営者のイラスト

 

残念ながら、経営している会社が破産せざるを得なくなりました。

 

会社が破産した場合、会社の代表者は「債権者集会」というものに出席する必要があるときいています。

 

Q そもそも債権者集会は、どこでなにをするものなのでしょうか?

 

Q 債権者集会では、私も何か話さなければいけないのでしょうか? また、債権者に怒鳴られたりしないでしょうか?

 

Q そのほかに、出席するにあたって、注意すべきことはありますか。

 

この記事を読めば分かること

債権者集会とは何か

実際の債権者集会の流れ

債権者集会に出席するにあたって、破産した会社の代表者が注意すべき事項

 

★「債権者集会」のポイントまとめ★

 

✓Point①

債権者集会では、破産手続きの状況等について破産管財人が債権者に対して報告します

 

✓Point②

債権者集会は、裁判所が運営し、破産管財人が報告を行うので、破産会社の代表者が発言する機会はほとんどありません

 

✓Point③

債権者集会では、破産会社の代表者は常識的な服装・態度で出席すれば、過度に神経質にならなくて大丈夫です

 

目次

 

 

1. 債権者集会とは何か

 

債権者集会のイラスト

 

 債権者集会とは、破産管財事件(破産管財人が選任された破産手続き)における、破産管財人の調査や財産の換価の状況等について、債権者に対して報告する機会です。

 

破産者が破産に至った事情や財団の管理・換価の状況、配当可能性などについて、破産管財人が、債権者に対して報告を行います。

 

債権者集会には、①財産状況報告集会(破産手続開始決定後、最初に開催される集会です。)、②異時廃止のための意見聴取集会、③任務終了報告集会及び④これ以外の債権者集会があります。

 

全ての破産事件について債権者集会が開かれるわけではなく、債権者集会が開かれるのは、裁判所により破産管財人が選任された事件についてのみです。破産管財人が選任されない「同時廃止」の事件については、債権者集会は開かれません。

 

ただし、会社が破産した場合には、破産管財人が選任されるのが通常ですので、会社の破産事件では、債権者集会が開かれるのが一般的です。

 

2. 債権者集会は、どこで、誰が出席して行われるのか 

 債権者集会が開かれる場所は、破産開始決定をした裁判所です

 

債権者集会の日時や場所の指定などの招集は裁判所が行い、当日の運営も裁判所が行います。

 

法廷のイラスト

 

 

 債権者集会に出席するのは、裁判所、破産管財人、破産会社の申立人代理人、破産会社の代表者、債権者です。

 

このうち、破産会社の代表者は、病気などで出席が不可能な場合を除き、原則として出席することとされています。

 

これに対し、債権者については、出席は任意であり、債権者の出席が全くない債権者集会もあります。

 

逆に、債権者が多数出席したり、債権者が破産に至った事情や財産状況に疑念を抱いて紛糾することが予想される債権者集会もあります。

 

破産管財人は、紛糾が予想される場合には、事前に裁判所に情報提供をして事前の対応を促します。

 

そして、裁判所は、予め法廷警護を要請したりするなど、集会を円滑に進める工夫をします。

 

なお、通常の裁判と違って、債権者集会は関係者以外には非公開で行われますので、前述した債権者集会の出席者以外の者が債権者集会を傍聴することはありません。

 

3. 債権者集会の実際の流れ

 破産会社の債権者集会では、裁判所の進行により、破産管財人から破産に至った事情や破産財団の現状、換価の進行状況、配当可能性が報告されます。   また、債権者からの質問があれば、破産管財人が回答します。      

説明をする弁護士

 

 債権調査期日も同一期日に開催された場合には、破産管財人が届出債権に対する認否の結果の報告をします。

 

その他、財産の放棄の許可などが、債権者集会の中で裁判所により行われる場合もあります。

 

 債権者集会は、一回で終わる場合もあれば、複数回行われる場合もあります。

 

会社財産の換価が終了していないなど、債権者集会を続行する必要がある場合(債権者集会を再度行う場合)には、裁判所により次回期日が指定されて終了します。

 

一回の債権者集会の所要時間は、通常5分から10分程度です。

 

 

4. 債権者集会での破産会社の代表者の役割

 前項で述べたように、債権者集会では破産管財人による報告や質疑応答が中心であり、また、当日の進行は裁判所が行いますので、破産会社の代表者が発言する機会はほとんどありません。

 

ただし、破産事件の内容や債権者の出席状況によっては、債権者集会の冒頭で破産会社の代表者に挨拶をさせる裁判所もあるようです。

 

法廷のイラスト

 

 債権者集会では、破産会社の資産の換価状況等が報告されるので、破産会社の代表者も、破産管財人から配布された資料を参照しながら、所定の席(着席位置は、裁判所により区々ですが、さいたま地方裁判所越谷支部では、令和4年現在、法廷の裁判官席から見て左側の席に、申立人弁護士と横並びで着席します。なお、破産管財人は裁判官席から見て右側の席に着席し、債権者は、柵を隔てた傍聴人席に着席します。)に着席してその説明を聞くことになります。

 

 

 

また、集会の最後に、債権者集会を続行する必要がある場合の次回期日について、裁判所からその期日で出席できるか確認されることはあるでしょう。

 

 

5. 債権者集会での破産会社の代表者が気を付けるべきこと

 債権者集会で破産会社の代表者が気を付けるべきことは、まずはきちんと出席することです。

 

万が一、病気などで出席できない場合には、診断書等を裁判所へ提出する必要がありますので、必ず申立人弁護士へ事前に連絡しましょう。無断欠席はしないようにしてください。

 

 

 

また、裁判所では、たくさんの債権者集会が分刻みのスケジュールで行われることも多いです。

債権者に悪印象を与えてしまうことはもちろん、他の債権者集会の運営にも影響しますので、遅刻することは避けましょう。

 

破産会社の代表者の債権者集会での服装は、特に決まったものはありません。

 

必ずしもスーツで行く必要はありませんが、あまりに華美であったり、軽装すぎるなどの非常識なものは避け、清潔感のある服装が無難です。

 

スーツ姿の男女

悩んだ場合は、申立人弁護士へ相談してみましょう。

 

当日は、次回の債権者集会期日が指定されることが予想される場合は、スケジュール帳があると便利です。

その他の持ち物についても、申立人弁護士へ確認しましょう。

 

実際の債権者集会では、債権者が出席することは少なく、破産会社の代表者が債権者に罵倒されたり怒鳴られたりということは稀です。

 

債権者は、配当が全く見込めないような事案についてまで、時間をかけて裁判所に出向いて債権者集会に出席しようとは思わないからです。

 

また、万が一、債権者集会が紛糾するような場合、事前に裁判所や破産管財人がある程度準備しているのが一般的です。

 

ですので、破産会社の代表者であっても、常識的な服装・態度で臨む限り、出席にあたって過度に神経質になる必要はないでしょう。

 

6. まとめ

 

 以上の通り、破産会社の代表者が債権者集会に出席する場合、まずは遅刻せずにきちんと出席するということが重要です。

 

債権者や裁判所に対する対応については、過度に気にしなくても大丈夫な場合がほとんどです。

 

実際の債権者集会でどのような点に気を付ければよいかなど、細かい点については事件の内容によっても異なりますので、不安な場合には、申立人弁護士に相談してみるとよいでしょう。

まだ破産をするかどうか検討中という段階の場合には、弁護士へ破産の相談をする際に、債権者集会についても確認してみるとよいでしょう。

 

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この記事の監修者

弁護士 星野 彩子

注力分野:法人破産,個人破産,個人再生

弁護士 星野彩子

神奈川県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。埼玉弁護士会所属。

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