Q 会社が破産すると株主はどうなりますか。
会社について破産手続開始決定があった場合でも、株主は直ちにその地位を失うわけではありません。
また、株主は、会社債権者に対しては株式の限度で有限責任を負っているだけですので、会社が破産手続開始申立をしたからといって、会社債権者から会社の債務(負債)につき弁済を請求されるなどということは、原則としてありません。
ただし、会社が破産した場合、一般に、株主がその株式について何らかの分配を受けることができる可能性は非常に低いです。
会社が破産する場合、債務超過ないし支払不能であるため、配当原資となるような資産がないことが通常だからです。
最終的に、破産手続が終了し、会社の法人格が消滅すれば、株主の地位も消滅することになります。
破産の手続がとられたとしても、株主としての地位を喪失する訳ではありません。
しかし、破産会社の株主は利害関係人として扱われることはなく、破産手続内で会社財産からの配当が受けられる可能性は非常に低いと考えておくと良いでしょう。
なぜなら、会社が破産すると、破産財団をもって債権者に対する配当が実施され、残余財産が存在すれば、破産手続終了後に通常の清算手続によって株主に対する分配がなされることになりますが、破産をする会社に残余財産があることは通常はないため、株主に残余財産が分配されることはほとんどないと考えられるからです。
多くの会社破産の事例では、そのほとんどが配当金額0円または債権額の数パーセントというのが実情です。
なお、株主は株式の限度(出資の限度)で有限責任を負っているので、会社が破産手続申立をしたとしても、株式が無価値となるだけであって、会社債権者から、金銭請求を受けるということは原則ありません。
ただし、会社が破産申し立ての直前に株主に配当をしていたような場合には、不当な利得として、破産管財人よりその同額の返還を求められる可能性もないとは言えません。