専業主婦の借金が返済できないときはどうする?原因や対処法、自己破産・個人再生の選択肢を解説

専業主婦と借金コラム
 

「生活費が足りず、つい借り入れを繰り返してしまった」
「夫に内緒の借金が膨らみ、もう自力では払えない…」
 
専業主婦の方が借金を抱えてしまう背景には、家庭ごとにさまざまな事情があります。誰にも相談できず、1人で返済の重圧に耐えている方も少なくありません。
 
借金問題を1人で抱え込むと、返済のためにさらに借り入れを重ねる悪循環に陥ることがあります。しかし、自力での返済が難しくなった場合でも、「債務整理」によって生活を立て直せる可能性があります。
 
この記事では、専業主婦が借金を抱えてしまう主な理由や、返済できなくなった場合のリスク、利用できる債務整理の種類、家族への影響について弁護士がわかりやすく解説します。

 


 

1. 専業主婦が借金を抱えてしまう主な理由

「贅沢をしていないのに、なぜか借金が増えてしまった」という主婦の方は少なくありません。専業主婦が借り入れに至る背景には、次のような事情があります。

 

理由① 生活費や臨時出費の補填

夫の収入だけでは毎月のやりくりが難しく、食費や日用品、急な病気や冠婚葬祭の出費をカードのキャッシングで補っているうちに、利用限度額に達してしまうケースです。

 

理由② 子どもの教育費の増加

学費や塾の費用、習い事の月謝など、子どもの成長に伴う教育費が家計への負担が大きくなり、補填のために借り入れを始めるケースがあります。

 

理由③ 返済が終わらない「リボ払い」の罠

クレジットカードでの買い物を「毎月一定額の支払い」にできるリボ払いは、借金をしている感覚が薄くなりがちです。しかし、リボ払いは手数料(金利)が高く、毎月返済を続けていても支払いの多くが手数料に充てられ、元金がなかなか減らない状態に陥ることがあります。

 

2. 専業主婦の借金は「夫」に返済義務がある?

疑問に思う主婦
 

専業主婦の方からは、「もし借金が発覚したら夫にも返済義務が生じるのでしょうか」「夫に迷惑をかけてしまうのではないでしょうか」といったご相談をいただくことがあります。
 
結論からいうと、借金をした本人が妻である場合、原則として返済義務を負うのも妻本人です。そのため、夫が借金の契約に関与していないのであれば、貸金業者が夫に対して返済を求めることはできません。
 
もっとも、例外的に夫が返済義務を負う場合もあるため、正しい知識を知っておくことが重要です。

 

原則:夫に返済義務はない

専業主婦の借金であっても、消費者金融やカードローンなどの借入れは契約した本人が返済義務を負います。そのため、妻が自分名義で借入れを行った場合、夫が保証人や連帯保証人になっていない限り、夫に返済義務はありません。
 
また、債務整理や自己破産を行ったとしても、その影響が夫の信用情報に直接及ぶことはありません。「借金が返済できなくなったら、夫に請求がいくのではないか」と不安に感じる方もいますが、原則としてそのようなことはありませんので、返済の負担が大きくなってきた場合には、早めに解決方法を検討することが大切です。

 

例外リスク①:夫が「保証人・連帯保証人」になっている場合

もし、過去に組んだ大きめのローンなどで、夫が保証人や連帯保証人にサインしている場合、あなたが返済できなくなると、債権者(貸金業者など)は夫に対して一括返済を請求します。この場合、債権者から夫に対して請求が行われるため、借金の事実を知られずに手続を進めることは極めて難しくなります。

 

例外リスク②:「日常家事債務」とみなされる場合

夫婦には「日常の家事に関して生じた債務は、夫婦が連帯して責任を負う」という民法の規定があります(民法第761条)。これを「日常家事債務」といいます。
これは、夫婦で共同生活を維持するために必要な支出については、夫婦の一方が契約した場合でも、他方が連帯して責任を負う可能性があるというものです。
 
例えば、生活費や教育費、家賃など、日常生活に必要な範囲の支出については、日常家事債務に該当する場合があります。
 
もっとも、消費者金融からの借入れやクレジットカードのキャッシングが直ちに日常家事債務にあたるわけではありません。金額や実際の使途にもよりますが、実務上は、消費者金融やカード会社からの使途が限定されていない借入れ(キャッシング)については、日常家事債務として夫に請求が及ぶ可能性は高くないと考えられます。

 

3. 借金を返済できなくなり「払えない」状態が続くとどうなる?

ステップ
 

専業主婦の方の中には、「何とか返済しなければ」と家計を切り詰めたり、別の借入れで返済資金を工面したりしながら頑張っている方も少なくありません。
しかし、返済が追いつかなくなり、滞納が発生すると状況は徐々に深刻化していきます。
一般的には、次のような流れで債権者からの対応が進んでいきます。

 

STEP① 業者からの督促

返済が遅れると、電話やSMS、郵送物などによる督促が始まります。(弁護士が介入すると、督促は停止します)。

 

STEP② 一括請求の通知

分割での返済権利を失い、残高と遅延損害金の一括支払いを求められます。

 

STEP③ 裁判所からの「支払督促」や訴状

債権者(借入先)が法的手続に踏み切り、裁判所から書類が届きます。これをさらに放置すると、最終的にはあなた名義の預貯金口座などが差し押さえられるリスクへと繋がります。

 

返済のために借入れを繰り返している場合や、毎月の支払いが家計を圧迫している場合には、滞納していなくても早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

 

4. 専業主婦が利用できる「債務整理手続」の簡易比較表

借金を自力で返済することが難しくなった場合には、「債務整理」という法的な解決方法があります。
債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれ利用条件や借金の減額効果が異なります。
 
特に専業主婦の場合は、収入の有無や借金額、ご家族の状況によって適した手続が変わるため、ご自身の状況に合った方法を選択することが重要です。
以下では、それぞれの手続の特徴を比較してみましょう。

 

手続の種類借金の減額幅専業主婦にとっての現実性と特徴
自己破産すべての借金が免除(ゼロ)になる ※収入がない主婦の方にとって最も現実的な「リセット」の方法です。 ※滞納税金は免除されないなど一部例外あり
個人再生借金総額を原則5分の1程度に減額し、3〜5年で分割返済する「破産という体裁(名前)がどうしても嫌な方」や「破産できない理由」がある場合などの選択肢です。ただし、パート等で安定収入を得る見込みが必要です。
任意整理将来利息をカットし、元金を3〜5年で分割返済を目指す収入のない主婦の方が任意整理を選択する場合は、夫の協力を得るなど、返済資金について十分に検討する必要があります。

 

5. あなたの状況に合わせた債務整理手続の選び方

専業主婦の方に適した債務整理手続は、借金額や家計状況、今後の収入見込みなどによって異なります。無収入の場合には自己破産が有力な選択肢となることが多い一方で、事情によっては個人再生や任意整理が適しているケースもあります。

 

選び方① 無収入の場合は自己破産が有力な選択肢となることが多い

本人に継続的な収入がない場合には、自己破産が有力な選択肢となることがあります。自己破産では、裁判所から免責許可決定を受けることで、借金の支払義務の免除を目指すことができます。
 
「破産すると家族の財産まで取られるのでは」と心配されるかもしれませんが、ご主人名義の財産(家や車、預貯金)が没収されることはありません。また、ご主人の信用情報(ブラックリスト)に傷がつくこともないため、ご主人名義のカードやローンには影響しません。

 

選び方② 収入の見込みがある場合は個人再生や任意整理も検討できる

自己破産は借金の支払義務の免除を目指す手続ですが、事情によっては個人再生や任意整理を選択するケースもあります。
 
例えば、パート収入などがあり、今後も継続的な返済が可能と見込まれる場合には、借金を大幅に減額したうえで分割返済を行う個人再生や、将来利息のカットなどを交渉する任意整理を検討できることがあります。
 
また、「どうしても自己破産という手続に抵抗がある」「できる限り自分で返済していきたい」と考える方が、個人再生や任意整理を希望されるケースもあります。
 
さらに、借金の原因に分不相応なブランド品の購入やギャンブル等の浪費が含まれている場合には、自己破産手続において裁判所がより慎重に審査を行うことがあります。
 
もっとも、浪費やギャンブルがあるからといって、直ちに自己破産が認められなくなるわけではありません。実際には裁判所の運用や個別事情によって判断が異なるため、自己判断せず、債務整理に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
 
なお、個人再生や任意整理は自己破産と異なり、手続後も数年間にわたって返済を継続する必要があります。そのため、継続的な収入や返済原資を確保できることが重要な前提となります。

 

6. 1人で悩まず弁護士に相談するメリット

メリットを説明する女性
 

専業主婦の方の中には、借金問題を家族や専門家に打ち明けることへ強い抵抗を感じる方も少なくありません。しかし、早い段階で弁護士に相談することで、ご自身の状況に合った解決方法や今後の見通しについてアドバイスを受けることができます。

 

メリット① 状況に応じた最適な手続を提案できる

あなたの借金額、借金の理由、今後の就労の可能性などを伺い、自己破産・個人再生・任意整理のうち、どの手続が生活再建につながるのかを丁寧に検討します。

 

メリット② 夫や家族への説明方法について相談できる

自己破産や個人再生を進める際、同居の夫に一切内緒のまま完了させることは困難なケースも少なくありません。弁護士は「どのように夫に話せば理解してもらえるか」を一緒に考え、必要であれば夫へ手続の内容や影響をどのように説明すればよいかについてもサポートします。

 

7. まとめ:専業主婦の借金問題は早めの相談が解決への第一歩

専業主婦の借金は、生活費の不足や教育費の負担、リボ払いの利用など、さまざまな事情から生じることがあります。
 
借金の返済が難しくなった場合でも、自己破産や個人再生、任意整理などの債務整理によって生活を立て直せる可能性があります。
 
また、借金は原則として本人の債務であり、夫が保証人等になっていない限り、直ちに夫へ返済義務が生じるわけではありません。
 
「家族に相談できない」「どうすればよいかわからない」と一人で悩み続けている方も少なくありませんが、早めに弁護士へ相談することで、状況に応じた解決方法が見えてくることがあります。
 
当事務所では、専業主婦の方特有の不安やご家庭への影響にも配慮しながら、最適な解決方法をご提案しています。
まずは現在の状況を整理するためにも、お気軽にご相談ください。

 

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この記事の監修者

弁護士 松本 侑樹

注力分野:法人破産,個人破産,個人再生

弁護士 松本侑樹

埼玉県出身。中央大学法科大学院卒業。埼玉弁護士会所属。

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弊所では、依頼者様との信頼構築のため、初回面談から一貫して同じ弁護士が担当に就きます。​ひとつひとつの案件に真摯に取り組み、生活再建に向け、自己破産、個人再生、任意整理などの中から、最適な法的手続きをアドバイスさせていただきます。まずはお気軽にご相談下さい。